ひとりマーケティングのためのデータ分析

TOOLS / CUSTOMER ANALYSIS

パレートの法則に従い「成果の8割を生む上位層」を見極める、
ExcelでのABC分析表のつくり方。

ピボットテーブルで集計し、構成比でA・B・Cに分ける。

2026/4/26

晴花

HARUKA

80対20は基準にすぎない。分析の半分は、それを決める作業だ。

ABC 分析とは

クラス別管理・重点指向を目的に、対象を累積構成比(cpr)で A・B・C の 3 クラスに分ける手法です。この ABC 分析表は、パレート図を作図する際の元表にもなります。

80:20
上位 20% が全体の 80% を占める「パレートの法則」が分類基準の出発点
A / B / C
cpr ≦ 80% を A クラスとするのが典型。基準は環境に合わせて検証を重ねる
基準設定の難しさと運用のコツ

「cpr ≦ 80% を A クラス」は出発点であって正解ではない。環境によっては「cpr ≦ 60%」の方がパフォーマンスが高いこともある。KPI との対比でクラス設定の適合を検証し、境界を調整し続けることが実務での運用の肝になる。

このページでは、社員コードの登場回数(ポイント)を基軸にした ABC 分析表の作成手順を追います。

01

元データ

未集計の取引レコードを単純に並べた表です。レコード数は 218 件(下図は一部)。

元データ(取引レコード一覧)・ABC分析

このデータをもとに、社員コードの登場回数(ポイント)で ABC 分析表を作ります。

02

ID の別にポイントを集計する

データ領域の任意のセルをアクティブにし、リボンの 挿入 タブ → テーブル グループの ピボットテーブル をクリックします。

リボン「挿入」タブからピボットテーブルを挿入

テーブルまたは範囲からのピボットテーブル ダイアログが開きます。テーブル/範囲 に正しいデータ領域が指定されているか確認し、問題なければ OK

「ピボットテーブルの作成」ダイアログ

新しいシートが追加され、右端にピボットテーブルのレイアウト用ウィンドウが開きます。

ピボットテーブル・レイアウトウィンドウ

フィールドリストから 社員コード 枠にドラッグ&ドロップします。

社員コードを行枠にドロップ

同様に、再び 社員コード を今度は 枠にドラッグ&ドロップします。

社員コードを値枠にドロップ

シートに「合計/社員コード」という見出しと数値が現れます。...

枠の 合計/社員コード をクリックし、ポップアップから 値フィールドの設定 を選択します。

「値フィールドの設定」を選択

値フィールドの設定 ダイアログで 個数 を選択し、OK。「社員コードを ID として個数をカウントする」という指示を Excel に与える操作です。

「データの個数」を選択

社員コード別に個数がカウントされました。データの集計対象である部員に対して付加したポイントの数です。

社員コード別にポイントが集計された
Extension — ABCZ 分析:「なかった」ことにも目を向ける

ABC 分析では、ポイントが発生しなかった(=ゼロの)対象はそもそも集計に現れません。しかし「なかった」こと自体を情報として扱う ABCZ 分析 という拡張アプローチがあります。

Z 区分の作り方

別シートに全販売担当部員の ID を列挙します。

全部員のIDを別シートに列挙

次に、VLOOKUP 関数でピボット表からポイントを転記します。元表に該当 ID がない場合は 0 を返します。

  • =IFERROR(VLOOKUP(A2, pivot!$A$4:$B$26, 2, FALSE), 0)
VLOOKUP関数でポイントを転記
03

値の降順に並べ替える

「個数/社員コード」列のデータが表示されている任意のセルをアクティブにし、リボンの データ タブ → 並べ替えとフィルター グループの 降順 をクリックします。

データタブ→降順ボタンをクリック

ポイントの大きい人から順に並べ替えられました。

降順に並べ替え完了
04

表の体裁をととのえる

データ範囲(A4〜B27)を選択してコピーします。

データ範囲を選択してコピー

別のシートに 1 行余裕を取って貼り付け、見出しを作ります。

別シートに貼り付けて見出しを作成

「構成比」列を計算します。総計セル(B25)は絶対参照にします。

  • C2=B2/$B$25
構成比を計算

「累積構成比」列を 2 ステップで計算します。まず先頭セルに構成比をそのまま参照します。

  • D2=C2
累積構成比の先頭セル

2 行目以降は「直前の累積構成比 + 当該行の構成比」で計算し、全員分コピーします。

  • D3=D2+C3
累積構成比を計算してコピー

「構成比」「累積構成比」両列のデータ範囲を選択します。

値域を選択

リボン ホーム タブ → 数値 グループの パーセントスタイル を適用します。

パーセントスタイルを適用
晴花

クラス境界の小数点以下桁数を細かく設定しても、基準自体がアバウトな以上あまり意味はない。1 桁か 0 で十分。

ABC 分析表の完成です。クラスの区分け表示は、手描きのオーバーレイを加える方法と、IF 関数を使った「クラス」列を追加する方法が主に使われます。

ABC分析表の完成
ABC分析表の完成
手書きによるクラス区別
手書きによるクラス区別
IF関数を使ってクラス列を追加
IF関数を使ってクラス列を追加

クラス判定の具体的な方法については、ABC 分析の IF 関数を使ったクラス判定(BDAstyle)も参照ください。またパレート図はこちらへ。

ABC分析(パレート図)について役に立つ資料など

本ページで解説しているABC分析の根本原理(パレートの法則)や、パレート図の正しい作図ルールについて、より深く学びたい方向けの参考資料です。

晴花