2026/6/16
エリアデータを地図に落とす、という課題
売上・来店数・人口動態・世帯年収——手元の数字を市区町村レベルで地図に色分けしたいという需要は、エリアマーケティングに関わる実務家なら一度は感じるはずです。 ところが「Excelの塗り分けマップでいけるんじゃないか」と試してみると、すぐに壁にぶつかります。
このページでは、その壁の正体を明らかにしたうえで、ブラウザだけで完結する現実的な解決策——4都府県対応のコロプレスマップジェネレーター群——を紹介する。
Excelの「塗り分けマップ」で市区町村は塗れない
Excel 2019以降に搭載された「塗り分けマップグラフ」は、都道府県レベルの可視化には十分に機能します。 しかし市区町村レベルになると、話が変わります。 このグラフが識別キーとして使うのは「郵便番号」であり、行政区画そのものではありません。
郵便番号は一つの市区町村に複数存在し、逆に一つの郵便番号が複数の町丁にまたがることもあります。 「渋谷区全体を一色で塗る」「名古屋市中区だけ強調する」といった行政区単位の塗り分けが、構造的にできません。 加えて、河川・山岳など郵便番号が存在しないエリアは空白として残り、地図の見た目が崩れます。
AYAKO
それだけじゃないですよ。Excelの塗り分けマップって、データをMicrosoftのサーバーに送信して地図を描画してるんです。 つまり、社外秘の売上データを地図にしようとした瞬間、そのデータが外部サーバーに飛ぶんですよね。 会社のセキュリティポリシーを確認してから使いましょう、って話になります。
| 課題 | Excelの塗り分けマップ | 本サイトのジェネレーター |
|---|---|---|
| 市区町村単位の色分け | ✗ 郵便番号単位のみ対応 | ✓ 行政区単位で完全対応 |
| 政令指定都市の「区」単位 | ✗ 区レベルの指定不可 | ✓ 名古屋・横浜・大阪市等の区に対応 |
| データのセキュリティ | ✗ Microsoftサーバーに送信 | ✓ ブラウザ内のみで処理、送信なし |
| 出力形式 | Excel内グラフのみ | ✓ SVG / PNG でダウンロード可能 |
意地でもExcelでやろうとすると、どうなるか
Excelの標準機能が使えないなら、VBAで自力実装する——という発想は理解できます。 当サイトにはまさにその記録があります。 国土数値情報のGeoJSONから座標を取り出し、VBAのフリーフォームで行政区ポリゴンを描画するという、正直に言って相当に茨の道です。 手順を要約すると次のようになります。
- 国土交通省「国土数値情報ダウンロードサービス」から対象都府県のGeoJSONを入手する
- テキストエディタで正規表現を駆使し、数万行のJSONから座標配列だけを抽出する
- VBAマクロで座標をExcelのセルに展開し、フリーフォーム描画ループを組む
- 描画すると天地が逆になるため、Y座標を反転させる処理を追加する
- 市区町村ごとに生成された数十〜数百のフリーフォームを、ジグソーパズルのように手作業で組み合わせる
- 色分けのためのデータ連携処理を別途実装する
AYAKO
VBAの勉強じゃなくて「今すぐ地図が欲しい!」という人には、 ブラウザにデータをコピペするだけで一瞬で作れるジェネレーターの方を紹介すべきじゃないですか!?
HARUKA
VBAによる実装は、地理情報をExcelオブジェクトとして扱う技術検証としては意味がある。 しかし仕事の成果物として地図が必要な人間がとるべき手段か、というのは別の問い。 手段のROIを問う習慣が、データ分析リテラシーの基本でもある。
当サイトでは実際にこの実装を完遂した記事を公開しているが、そのページにおける晴花のセリフが実にこの状況を象徴していました。 「VBAでここまでやり遂げたのは確かにひとつの達成だが、ジェネレーターがあるならそれを使えばいい」と。
実務家のための最適解:ブラウザ完結のジェネレーター
上記の問題をすべて解消するために開発したのが、以下で紹介する4都府県対応のコロプレスマップジェネレーター群です。 使い方は単純で、Excelから「市区町村名」と「数値」の2列をコピーし、ブラウザの入力エリアに貼り付けるだけで地図が即座に生成されます。
SECURITY — データについて
- 入力したデータはすべてブラウザ内のみで処理されます
- 外部サーバーへの送信は一切行いません
- ページを閉じると同時にデータも消去されます
- 社外秘・個人情報を含む業務データでも安全に使用できます
HARUKA
「クライアントサイド処理」という概念に不慣れな方のために補足しておく。 JavaScriptはサーバーと通信しなくても、ブラウザ自体を計算機として動かすことができる。 地図描画ライブラリのLeaflet.jsと地形データ(GeoJSON)はページ読み込み時に一度だけ取得されるが、 あなたが貼り付けた数値データがどこかに送られることは、構造上あり得ない。
9都府県対応ジェネレーター
対応エリアは東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・静岡県・愛知県・大阪府・兵庫県・福岡県の9都府県。 日本の総人口の約5割をカバーするエリアのデータ可視化に対応しています。 政令指定都市の行政区(さいたま市10区、千葉市6区、横浜市18区、川崎市7区、相模原市3区、静岡市3区、浜松市3区、名古屋市16区、大阪市24区、堺市7区、神戸市9区、福岡市7区、北九州市7区、東京23区)にも完全対応しています。
TOKYO
東京都版
コロプレスマップジェネレーター
東京都全域(島しょ部除く)と23区のみの表示切り替えに対応。 多摩地区から23区まで、都内全域のエリア分析に。
ジェネレーターを使う
SAITAMA
埼玉県版
コロプレスマップジェネレーター
さいたま市10区の行政区レベルに対応。 首都圏北部・埼玉県全域のエリア分析に。
ジェネレーターを使う
CHIBA
千葉県版
コロプレスマップジェネレーター
千葉市6区の行政区レベルに対応。 首都圏東部・房総半島を含む千葉県全域のエリア分析に。
ジェネレーターを使う
KANAGAWA
神奈川県版
コロプレスマップジェネレーター
横浜市18区・川崎市7区・相模原市3区の行政区レベルを網羅。 首都圏南部のエリアマーケティングに。
ジェネレーターを使う
SHIZUOKA
静岡県版
コロプレスマップジェネレーター
静岡市3区・浜松市3区の行政区レベルに対応。 東海・伊豆を含む静岡県全域のエリア分析に。
ジェネレーターを使う
AICHI
愛知県版
コロプレスマップジェネレーター
名古屋市16区を含む愛知県全域の可視化に対応。 中京圏のエリアマーケティングに。
ジェネレーターを使う
OSAKA
大阪府版
コロプレスマップジェネレーター
大阪市24区に加え、堺市7区の行政区レベルにも対応。 関西圏のエリア分析に。
ジェネレーターを使う
HYOGO
兵庫県版
コロプレスマップジェネレーター
神戸市9区の行政区レベルに対応。 関西・播磨・但馬を含む兵庫県全域のエリア分析に。
ジェネレーターを使う
FUKUOKA
福岡県版
コロプレスマップジェネレーター
福岡市7区・北九州市7区の行政区レベルに対応。 九州最大の都市圏を含む福岡県全域のエリア分析に。
ジェネレーターを使う共通の使い方:Excelから3ステップ
4つのジェネレーターはすべて同じ操作フローで動作します。 Excelをすでに使っているなら、追加の前処理は何も必要ありません。
- Excelで「市区町村名」列と「数値」列の2列を選択し、コピー(Ctrl+C)する
- ジェネレーターのデータ入力エリアに貼り付ける(Ctrl+V)
- 「地図を生成」ボタンを押す。SVGまたはPNGでダウンロード可能
AYAKO
市区町村名の表記は、各ジェネレーターのページにサンプルデータが載ってるのでそれを参考にしてください! 「名古屋市中区」「横浜市西区」のように「市+区名」の形式で入力するのがポイントです。 一致しない名前はグレーアウトされるので、どこがミスマッチか一目でわかります。
こんな場面で力を発揮する
コロプレスマップは「数値の地理的な濃淡」を一瞬で伝えるのに最適なチャートです。 棒グラフでは見えにくい「どのエリアが強いか」「どこに伸びしろがあるか」というパターンが、色の分布として直観的に浮かび上がります。
- エリア別売上・来店数のヒートマップとして営業資料に添える
- 人口・世帯数・世帯年収の地域分布を把握する
- 新規出店候補エリアの絞り込みに使う
- 競合店舗の分布と自社売上を重ね合わせて分析する
- マーケティングの地域ターゲティングを視覚化して共有する
HARUKA
コロプレスマップには一つ注意点がある。 面積の大きいエリアが視覚的に強調されるため、面積と値の相関がない場合は誤読を招きやすい。 人口密度の高い都市部が地図上で小さく見える——という逆説は常に意識しておくべき。 それを理解したうえで使うなら、これほど直観的な伝達ツールはない。