元データと出発点
リサーチサービス社のここ2年にわたる主要商品の売上データ(一部)です。取引1件につき1つのレコードが対応しています。このデータをスライス&ダイスしながら多面的に見て、特徴的な事象がないかを探ります。
ここでは、売上データの業種別構成比を計算した際にやや意外な結果が出たことを出発点とします。ある販売担当部員について「販促に活路を見いだすための材料がどこかにないか」という問いを携えてスライス&ダイスを試みます。
ピボット表とピボットグラフを用意する
シートの任意のデータ(ここではセルA1)をアクティブにした状態で、リボンの挿入タブテーブルグループにあるピボットテーブルをクリックします。
ピボットテーブルの作成ダイアログが開きます。テーブル/範囲に正しいデータ領域が指定されているかを確認し、問題がなければデフォルトのままOKをクリックします。
フィールドリストから月-年を行枠に、商品コードを列に、金額を値枠にドラッグ&ドロップします。
Excel 2016以降の「日付の自動グループ化」について
Excel 2016以降では、日付データを行へドロップすると自動的に「年」や「四半期」といった項目にグループ化されます。ここでは解説の整合性を維持するため、自動で加えられたグループ化設定を解除して(ピボット表のセルを右クリック →「グループ解除」)作業を進めます。
その状態のまま、リボンのピボットテーブル分析タブ(または分析タブ)ツールグループにあるピボットグラフボタンをクリックします。
グラフの挿入ダイアログ・「面」グループの積み上げ面をクリックし、OKをクリックします。
商品種別1〜8について、ここ2年の売上推移をグラフ化できました(商品別売上高|時系列)。全体には右下がりの傾向が見られますが、商品ごとの販売構成比の変化はハッキリしません。「100%積み上げ面」に変更しても、一覧してわかるような特徴的な事象は窺えませんでした。
他のグラフを適用してみる
2時点間で単純化して眺めるため、ファンチャートを使って最初と最後のタイムシリーズを線分で結びます。ピボット表の「合計/金額」をアクティブにした状態から、ピボットテーブル分析タブアクティブなフィールドグループのフィールドの設定をクリックします。
値フィールドの設定ダイアログの計算の種類タブに切り替え、計算の種類を基準値に対する比率に、基準フィールドを月-年に、基準アイテムをJul-10(当該期間のうち最も古いもの)に設定してOKをクリックします。
ピボットグラフをアクティブにして、デザインタブ種類グループのグラフの種類の変更から折れ線グラフに変更します。続けて、タイムシリーズのフィルタから"最も古い期"と"最も新しい期"の2点のみを選択します。
当該期間のうちの最も古い実績を基準としたファンチャートが完成しました。この極めて単純な2時点比によれば、商品種別6(基幹商品)が分析時点で最も大きく落ち込んでいることが明確に読み取れます。
「スライス」してデータを覗く
データを比率から観測値に戻し、タイムシリーズのフィルタも解除します。ここまでは売上金額を「商品」と「時間」の2軸から眺めました。次にここをとっかかりとして——
先の2軸に新たに「部門」軸を加えて、3つの視座から売上を考えます。
「部門」に相当する変数がないため、「社員コード」の先頭桁をグループ化して代用します(図の上段・中段・下段の順に操作)。
グラフは図の上段のように3つの不連続な群の塊となりました。先ほどと同じく2時点間推移に単純化し(2段目)、グラフにスライサーを追加して不連続な群がスムーズに切り替えられるように設定します(3・4段目)。
スライサーで部門を切り替えながら見ると、商品種別6の大幅な減少は「RS1部」の影響が大きかったことが窺えます。
このように、ある軸からひとつの項目要素(ここでは「部門」の特定部)で切り出して断面を覗き見るアプローチをスライス分析と呼びます。
視点をさらに下の「販売担当者」レベルへ移動するドリルダウンを行います。年単位の集計値に変更し、社員コード1005の人のデータを見てみると、主力商品である種別6の販売機会に恵まれていないことが見えてきました。
「ダイス」してデータを覗く
再度フィルタを解除し、今度は「部門」を別の変数「業種」と入れ替えます。このように3つの変数の組み合わせをサイコロを転がすように変えるアプローチをダイス分析と呼びます。「業種」と「商品」の2軸を同時にスライスできるよう、スライサーを2つ差し入れます。
フィールドを以下のように割り振り、グラフを積み上げ面に変更します。
- 軸(行): 業種コード, 年-月
- 凡例(列): 商品コード
- 値: 合計/金額
スライサーを利用して「金融」業種における特定の商品コードをスライスして動向を確認します。
より大きな括りである「全業種」への視点移動(ドリルアップ)を行って確認します。商品コードのフィルタを外し、業種コードを凡例に移して2時点比の折れ線グラフにすると、業種「金融」が期間開始時の3位から直近では7位に落ち込んでいる背景が見えてきました。